【勘繰男のバンコクラーメン屋台奮闘記】第一話 バンコクの片隅で

投稿日 2025.08.20

勘繰男がバンコクに戻ってきた

俺は日本のラーメンチェーン「山岡家」で10年修行した。
大学時代は横浜に住み、家系ラーメンの名店を食べ歩き尽くした。
そこで叩き込まれた経験とスキルを、今このバンコクで爆発させるために、すべてを背負って立っている。

バンコクの片隅、シーナカリンのガソリンスタンド内にある屋台市場
その一角で、俺はひとりラーメン屋台を広げている。
店の名は「あの豚との約束
隣の屋台からはソムタムを搗く唐辛子のリズム、反対からはガイヤーンの香ばしい煙。
油と香辛料の渦巻く中で、俺の寸胴からは白濁した豚骨スープの湯気が立ち上る。
異国の屋台市場に、日本の豚骨をぶつける。

タイに移住して感じた事

無謀だと笑う奴もいるだろう。
だが、俺には確かな勝算があった。
タイに移住してから1年半。
俺はありとあらゆる日本人経営のラーメン屋を食べ歩いた。
その結論は…正直、レベルが低すぎる
「これで金を取って商売が成り立つのか?」そう思わされる店ばかりだった。

唯一「うまい」と思えたのは、シラチャにある林虎さんの濃厚豚骨醤油
あそこだけは本物だった。
ちゃんと店内でスープを炊いている。
真剣に作っているんだなというのがスープを飲めばわかる。

この店とお客さんを奪い合いたくないな。
俺はそう思った。
だからこそ、俺はシラチャから距離を置き、バンコクに戻ってきた
ここなら俺でも勝負できる。そう確信した。

ぬるいスープなどラーメンじゃない!

さらに俺が驚いたのは、タイのラーメン屋の多くがスープをぬるいまま出すということだ。
調べてわかったのは、タイ人は熱々のスープを嫌う傾向にあるらしい。
だが俺に言わせれば、それはラーメンじゃない。
どれだけ味が良くても、ぬるいスープは「ラーメン風の何か」であって、本物のラーメンではない。

俺は、お客さんの要望にはなるべく柔軟に対応したいと思っている。
だが「スープぬるめで」と言われても、申し訳ないがそれはできない。
それをした瞬間、俺のラーメンじゃなくなるからだ。
M専門でもない普通のデリヘルで、嬢に「できるだけ強く殴ってくれ」と頼むようなものだ。
求めている土俵が違う。
ぬるいラーメンと熱々のラーメンでは、まるで別のジャンルなのだ。

勘繰男と『あの豚との約束』による戦いがはじまる

俺のラーメンのコンセプトはひとつ。シンプルだ。
タイに住む日本人が
まさかタイでこんなガチなラーメンが食べられるなんて!
そう思ってもらえる一杯を出すこと。
異国で暮らす日本人に、あの日常の熱々を届けたい。

もちろん、ここに至るまでには苦悩もあった。
物件探しだ。
俺はTwitterで大〇の情報を発信するインフルエンサーとして、そして日本のアングラ誌「実話ナックルズ」のライターとして、ある程度の収入を得て暮らしていた。
毎日、家でスマホをカチャカチャしながら〇麻を吸って過ごす。
それでも生活には困らなかった。

だが、正直に言えば、そんな日々に自分でも嫌気が差していた。
「このままダラダラと過ごして、俺の人生は終わっていくのか?」
そう思った瞬間、頭に浮かんだのは寸胴鍋の音と、スープの湯気だった。
逆に言えば、この収入があるからこそ、俺はラーメン屋台にすべてを注ぎ込む決意ができた。
安定した下地があるから、全力で勝負に出られる。
そうして辿り着いたのが、シーナカリンのガソリンスタンド市場だった。

今日も寸胴からは、熱々の豚骨スープの湯気が上がる。
俺の戦いは、ここから始まったばかりだ。

ラーメン『あの豚との約束』の場所

【アクセス】
MRTイエローライン シーラサール駅(YL18 Si La Salle)より徒歩約10分(700m)

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自己紹介

名前:勘繰男(かんぐりお)

生年月日:1979年8月9日生まれ
年齢:45歳
職業:海外移住系インフルエンサー、ラッパー、フリーライター
実話ナックルズのウェブ版に「勘繰った話」を連載中
合法的に〇〇を吸いたいと言う理由で、2023年12月にタイのバンコクに移住。現在はシラチャに移住して「ここが1番いい」と豪語している。シラチャを愛してやまない。

シラチャのことを歌った曲
「ブラリシラチャ」は10日で1万再生を超えた。

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