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緊急レポート!タイの夜遊びがオワコン?タニヤ現地調査記
投稿日 2025.07.02
ただいま、緊急で原稿を書いております!ライターのカワノです。
パタヤ滞在を終え、日本へ帰国する直前、バンコクに立ち寄った私。そこで目にしたのは、あまりに衝撃的な「いまのバンコク」の姿。
いったい何が起きているのか?現地から緊急レポートをお届けします!
6月某日。
日本に帰国する前にバンコクへ立ち寄り、繁華街の様子を“調査”するのは、もはやお決まりのルーティンとなっていた。
ソイカウボーイ、ナナプラザ、そしてパッポン。それぞれのエリアを見て回っていたとき、ふと1件の連絡が入った。お世話になっているカラオケ「VENUS」のNさんからだった。
「実は…最近、タニヤ全体が暇でして…もしよかったら、様子を見に来ませんか?」
そんなNさんの言葉を聞き、私はすぐにタニヤ通りへと向かった。
夜7時を過ぎた頃。普段なら日本人の観光客や出張者の姿をちらほら見かける時間帯。しかし、この日はどういうわけか、人の気配がまばらだ。日本人はもちろん、ここ最近増えているといわれている中国人や韓国人観光客の姿すらほとんど見かけない。
さらに、通りの両側から客引きをするカラオケ嬢たちの数も明らかに少ない。この時期は雨季にあたるタイ。例年、女の子たちは出稼ぎに海外へ渡っているとはいえ、それでも今年は一段と閑散としているように思える。
「一体、何があったんですか?」
「VENUS」で緑茶割りを飲みながら、Nさんに尋ねる。
「それが…正直、よくわからないんですよ。3月にミャンマーで大きな地震があったでしょ?その影響で旅行者が減ったという話もありますが…」
まだ記憶に新しい、3月にミャンマー中部で発生した大地震。バンコクでも震度3を記録し、建設中の高層ビルが倒壊したことで多くの犠牲者が出た。この地震によって、タイ旅行をキャンセルする人が続出し、ホテル業界にも少なからず影響があったという。
なるほど、地震の影響で今の時期の予約をキャンセルした人が多いというのは理解できる。だが、それだけが理由とも思えない。
「…他にも何かあるんですか?」
「実はですね…タイ全体で日本人の“夜遊び離れ”が起きてるような気がするんです。円安や物価の上昇もありますし、特に日本人の旅行者が減っている印象が強いんですよね」
確かにその通りだ。私が滞在していたパタヤでも、今年のゴールデンウィークには、ほとんど日本人観光客を見かけなかった。
「…これは、ちょっと由々しき事態かもしれませんね」
いま、タイの夜遊び業界では何かが起きている。今回は、その理由について考察してみたい。
目次
タイの夜遊びから日本人が激減した理由(1):値上げ
まず1つ目の理由は、何といっても”価格の高騰”だ。たとえばバンコクのゴーゴーバー。コロナ前であれば、いわゆる“ショート”で2,500~3,000バーツが相場だった。
しかし現在は、3,500~4,500バーツが当たり前、最近レベルが高いといわれるパッポンではロング8,000バーツというゴーゴーもある。さらに店側に支払うバーファインも1,500バーツ~が水準となっている。
さらにコロナ前は1バーツ=3円台だった為替も、現在は4円台へ。つまり、同じ遊びをしても日本円換算での出費は大きく増えてしまった。数年前から「日本で遊ぶほうがコスパが良い」と言われるようになったのも無理はない話だ。
タイの夜遊びから日本人が激減した理由(2):システムの変動
2つ目の理由は、”ゴーゴーバーのシステムの変化。以前であれば、ドリンクを一杯だけ注文して、女の子たちを静かに眺める、いわゆる“地蔵”スタイルでも問題なかった。
しかし最近では、ナナプラザの一部店舗で「最低2杯のドリンク注文」を義務付けるなど、ルールが厳しくなってきている。また、「飲むだけなら帰ってくれ」とスタッフに追い出されたという証言もある。
これは、マナーの悪い外国人観光客が増えたことで、店側が自衛のためにルールを強化した結果ともいわれている。
そのため、一度店に入ってしまうと、以前よりも大きな出費を覚悟しなければならず、結果的に旅行者の足が遠のいてしまった…。これは、ある意味仕方のないことなのかもしれない。
タイの夜遊びから日本人が激減した理由(3):情報発信者の減少
そして3つ目の理由は、”情報発信者の激減”だ。十数年前までは、個人ブログでタイの夜遊びを詳しく綴る“おじさんブロガー”たちがたくさんいた。また、YouTubeが一般化してからは、動画で現地の様子を紹介する配信者も多かった。
しかし最近は、そうした情報源が急激に減っている。背景には、YouTubeのアダルト系コンテンツに対する規制強化がある。BANのリスクを恐れ、多くの発信者が活動を自粛・撤退した。
さらにもう一つの理由が”撮影の規制”だ。ナナプラザでは数年前から一切の撮影禁止。パタヤのウォーキングストリートでも、カメラを構えようものなら露骨に嫌な顔をされる。
昔のように自由に動画や写真が撮れないのだ。加えて、今はSNS全盛の時代。写真や動画がないテキストだけの情報は、もはや誰の目にも留まりにくい。その結果、最新情報に触れる機会そのものが減ってしまっている。
「でもね、タニヤのカラオケのアフター料金はショート3,500バーツ、ロング4,500バーツと、コロナ前と比べても1,000バーツしか上がってないんですよ!それでも、こんなにヒマなんです…」
そう、訴えるNさん。
…仕方がないことなのかもしれない。今どきの若者たちは、旅行先で見たもの・体験したことを、とにかくSNSに載せたい。そういう時代なのだ。
タニヤのカラオケは、オジサン世代にとっては居心地の良い空間だ。日本語も通じるし、雰囲気もどこか落ち着いていて安心できる。だが、若者たちにとっては少々“地味”に映ってしまうのかもしれない。
彼らはもっと、ローカルで、いかにも“タイらしい”場所で遊びたいのだろう。とはいえ、懐事情はそこまで潤っていない。
だから最近は、ゴーゴーバーで軽く2~3杯だけ飲んで雰囲気を味わい、ちょっと股間をあたためたあとに、テーメーカフェでリーズナブルに女の子を連れ出す…。そんな、日本人旅行者の“合理的ナイトライフ・ルーティン”ができつつある気がする。
このように、タイの夜遊びを取り巻く環境は大きく変わりつつある。だが、そんな中でもタニヤのカラオケは、実はまだ“おトク”なのだ。
若者のトレンドや旅のスタイルが変わっても、工夫次第で夜遊びはまだ楽しめる。オジさんたちの楽園、タニヤは今も健在。そう言ってもいいかもしれない。
プロフィール
カワノアユミ
ジーダイアリー2012年にて“とんぼ”名義でライターデビュー。
現在、タイと日本を往復しながら夜の街ライターとして活動。
X:@ayumikawano
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