バンコク・エロ街エレジ―~第3回:“エロき”ゆめみし さめもせず

投稿日 2022.03.25

ゆっくりと霧が晴れて行くようにコロナ規制が緩和し続けているバンコク。
3月9日には「タイ国家伝染病委員会(NCDC)」から、Covid-19が風土病とされるまでの4ヶ月間の移行期間における対応策が発表され、“すべてのナイトライフ・エンターテイメント施設は、5月下旬の第3期から通常通り営業できるようになる”とされていた。
それがメデタク実現したとしても約二ヶ月先だ。
“夜明け前がもっとも怖い”という言い伝えもあるし、浮かれたい気分をグッと堪えながら夜明けを待つのみである!

腹ごしらえのし過ぎは禁物!?

先日、一時帰国を控えた知人を交えた男3人で夜の街に出かけることになった。
タイ料理好きのその知人の要望で、まずエカマイ通りの端っこ、エカマイ・ソイ30(ペッブリー通りとの交差点近く)の屋台街にあるタイ料理店「スラチャイ・エカマイ30」へオースワン(牡蠣の卵とじ炒め)を食べに出かけた。
その後、BTSプロンポン駅周辺に“繰り出す”予定である。
エカマイ通りを挟んだ対面にある、ムーガタ(タイ風豚焼き鍋)が美味しくて日本人にも人気がある「ノンカイ・チムチュム」の様な有名店ではないが、「スラチャイ」はどの料理をオーダーしてもハズレが無く、愛想の良い従業員が気の効いたサービスをしてくれるので、コロナ禍以前から何度も立ち寄っていたのだ。

タイ語堪能で心優しい知人2人は、働き者のオバサン従業員と談笑しながら次々と料理をオーダー。
オースワン、ムーガタ、カイヂァーオ(タイ風オムレツ)、コムヤーン(タイ風焼き豚)、ヤムウンセン(タイ風春雨サラダ)、キノコのオイスターソース炒め。
久しぶりに豪勢な宴となった。

料理はもとより、俺はひたすらビールを飲み続けた。
収入が激減したこの1年、晩酌ビールは毎晩ひと缶のみと節約していたので、久しぶりの瓶ビールに喉が鳴りまくった!

屋台エリアに続々と集まって来るタイ人たちの笑顔もいい。
大騒ぎする連中もなく、みんな夜風に吹かれながら開放感に浸っているご様子だ。
絶えて久しかった穏やかな光景であり、タイ人に日常が戻りつつあることを実感する。
タイ人がサバ~イでなければ、俺たち外国人がサバ~イになれるはずもない。
今夜はタイ人客みんなが、我々のビールと料理を美味しくしてくれた。
3時間くらい「スラチャイ」で散々飲み食いして、お勘定は一人たったの400バーツ弱(約1,500円)。
やっぱりドカ食い、グダグダ飲みはローカル屋台に限る!

渋滞という神様の悪戯

食後に繰り出す予定だったものの、3人とも超満腹状態で動けない、動きたくない・・・「スラチャイ」での飲食時間を堪能し過ぎてしまったのだ。
ここで妙案が閃く!
徒歩数分の位置、エカマイ通りのほぼ終点にあるタイマッサージ店だ。
古ぼけた小さなお店だが、割と品の良さそうなオバサン2人でやっていて、2年ほど前に深夜の散歩途中で急性虚脱状態に陥って転がり込んだ時、まるで魔法をかけられた様に蘇生してもらったことがある。
そこで1時間足マッサージを受けて体調を整えてから繰り出すことにした。

だがしかし!お店が無くなっていた・・・コロナ禍がもたらした虚しい現実に直面だ。
ここで知人の一人が満腹状態により離脱してご帰宅となったが、帰国予定の知人と俺は諦めきれず、プロンポン駅周辺までタクシーで移動してからタイマッサージ店へ行くことにした。

タクシーがスクンビット通りのプロンポン駅手前200メートルぐらいの地点に差し掛かった時、渋滞に飲み込まれた。
「渋滞になるなんて、これもバンコクに日常が戻って来た証拠ですよねえ~」とのんびり構えていた我々だったが、渋滞がちょっと長過ぎた。
タクシーはほとんど前進していないのに、料金メーターは20Bぐらい上がってしまっている。
痺れを切らした我々はタクシーを降り、徒歩でプロンポン駅方面に向かうことに。

お目当てのタイマッサージ店があったものの、面倒臭くなってプロンポン駅への道中、スクンビット通り沿いにある店に入ることにした。
店先で客引きをしているマッサージ嬢がマスクだけではなくフェイスシールドまでしているので、「当店はコロナ対策万全です!」とアピールしているのだろう。
しかし、渋滞によってタクシーを降りてこの店に入ったことが、俺に想定外の顛末をもたらすことになった。
この夜の渋滞は神様が俺に仕掛けた、ちょっとした悪戯、茶目っ気だったのかもしれない(笑)

先に帰ります。悪しからず

「オキャクサン、オキャクサン!」
マッサージ嬢の呼びかけと揺さぶりで目が覚めた。
どうやら、足マッサージを受けながら寝てしまったようだ。
「お友達は先に帰りましたよ。スマホを見て」
促されるままにスマホをチェックすると、知人からLINEメッセージが届いていた。
「日本の女房と子供から電話があったので、今夜は帰ります。気持ち良さそうに寝ていたので、悪しからず。また5月に会いましょう」

仕方がない。
妻子持ちの途中離脱は夜遊びに付き物である。
足マッサージは終わってしまったようなので、独り者の俺はこれからどうするか。

マッサージ嬢にチップ100Bを渡して店を出ようとすると、何故か彼女はチップを受け取ろうとせず、俺を見つめている。
「あなた大丈夫?疲れているみたいだから、もう1時間タイマッサージどう?」
「う~ん、それも悪くはないなあ~」
一人で飲み直しに行く気も失せかけていたので、彼女の申し入れを承諾した。

弱った獲物は逃がさない!

2階のマッサージルームに案内され、「ちょっと待ってて」と一度部屋を出てから戻って来た彼女は、カーテンを少しだけ開けてマスクをとった顔を覗かせ、マッサージ・ウェアに着替えている俺に小さな秋波を送って来た。
「暑くない?それ、着なくてもいいわよ」
初めて彼女の顔を見て「案外若かったんだな」程度の感情しか湧かなかったが、カーテンが開けられた瞬間にちょっと後悔した。
彼女はお店のユニフォームから、ホットパンツと丈の短いピチピチTシャツに着替えて戻って来たのである。
TシャツにプリントされたChristian Diorの文字が、バストの膨らみと息遣いで波打っているように見える。
まさか、ここで“はめられる”とは!

のっけから彼女は剥き出しの両太腿を俺の脚にぴったり密着させ、右手は指圧の真似事、左手は俺の股間をさすりっぱなし。
予想外であり面倒でもあるけれど、ちょっと待望の展開でもあるかな(笑)
普通のタイマッサージ店でのこの展開は、「何処そこの店であるらしいぞ」と周囲の者からそろそろ噂が出始めてはいたが、ついにこの俺もロックオンされたか!
知人が先に帰って一人取り残され、足マッサージが終わってもまだフラフラしていた俺は、彼女にとって恰好の獲物だったのである。

「ねえ、やらせて。2,000バーツでどう?」
「いやいや、今夜はそんな気分じゃない」
「お願い!」
「酔っているから勃たないよ」
「大丈夫!サービスするから」

舌をちょっとだけ出して〇ェラのデモンストレーションをする彼女。
左手はじわりじわりと俺の下着の中に入れ、よくある身の上話を始めた。
コロナでずっとお客が少ないとか、今日はあなたが初めての客だとか、あなたは優しそうだとか。
ヤリタクなければ、「今、現金持ってない」で片が付くことぐらい分かっている。
ヤリタイなら、「高いよ。その辺のエロマに行ったら同じ金額でバスタブにも入れるよ」って値引き交渉だ。
しかし、こうした状況が妙に楽しい。
「あ~こんな事も久しぶりだな~。バンコクの夜に日常が戻って来たんだ」

どうせ迫られるなら、フェイスシールドとマスク姿のままの方が良かった。
タイ人女性は目が色っぽいし、薄暗い診察室で女医さんにエロイ診察をされているみたいだもんな、とかショーモナイ空想に耽っていると、三度目の「ねえ、やらせてよ」が来た。
やんわり断り続けられるタイ語の語彙力も尽き、今や愚息も彼女の掌に支配されてしまっている(笑)
ここから値段交渉を始めて、彼女の機嫌を損ねない程度のラインで“手打ち”となった。
多少はスッキリした後にお願いした彼女の指圧マッサージは、再び眠りに落ちそうになるほど上手だった。

帰り際、お店の1階に並ぶマッサージチェアで足マッサージを受けながら眠っている赤ら顔の白人客がいた。
彼もまた俺と同じ状況に誘い込まれるのかと思うと、なんだか可笑しくなってきた。
グッドラック!
“俺たちのタイ、バンコク”は、確かに少しづつ夜明けに向かっているようでアリマス!(つづく)

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