4人のアツいブリュワーたちが結集したバー Let The Boy Die  #バンコクビール倶楽部

投稿日 2016.11.21

これまで#バンコクビール倶楽部で取り上げたのは『CRAFT』『HAIR OF THE DOG』の2店舗。
両店舗ともタイ国内だけではなく世界各地から取り寄せたクラフトビールを揃えていたBarだった。
今回紹介するのは、タイのクラフトビールだけに的を絞り、しかも経営者である4人のブリュワーが認めたビールだけを置く『Let The Boy Die』。

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ヤワラーの北にあるLuang通り沿い

タイのクラフトビールを愛するオーナー陣

厳選したタイのクラフトビールだけを揃え、しかもオーナー5人のうち4人が自身でクラフトビールを製造するブリュワーである。
ビールへのアツい情熱を持ったブリュワーの4人と、ビールを愛するタイ女性のケイさんを加え、5人で『Let The Boy Die』を立ち上げた。
ケイさんは日本へ2年留学した経験があり、現在日系企業で働いていることもあって、流暢な日本語を話してくれる。

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一番左がカリフォルニア出身のAvi氏。右から2番目がケイさん

「私はビールが好きですが詳しくはないので、4人のブリュワーに聞いていただいた方がいいでしょう」

わたしが来店した日、ケイさん以外のオーナー陣は不在だったので、後日、全員が揃う日にあらためて取材にお伺いした。

わたしが初日来店した際にいただいたクラフトビールは、PAUL BEER製の黒ビール、Smoke Dark Beer。
黒ビールといえば独特の苦味があるが、Smoke Dark Beerは苦味はおさえられ、すっきりとしたのどごしが味わえる。

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グラスに刻まれている文字はLife is Short Happiness is Shorter

厳選された6種のクラフトビール

『Let The Boy Die』で揃えているクラフトビールは6種のみ。
オーナー4人のブリュワーで製造されたビールと、彼らがテイスティングし合格したクラフトビールだけがメニューに加えられる狭き門である。
毎日同じビールが並べず日によって変え、クラフトビールマニアたちを飽きさせることなく、毎夜満足させているのだ。

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6種のクラフトビールは日により入れ替わる

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注ぎ口も6つか設置されていない

『Let The Boy Die』では料理もいただいた。
おすすめで出してくれたのは、PORK KNUCKLEという、名前の通り拳の形に似た、骨付き豚肉を丸ごと揚げた豪快な一品。
タレはマヨネーズ、マスタード、タイ料理に使われるナムチムの3種が用意されている。
表面が固くなるまで揚げられているが、これだけ巨大な豚肉なので、肉自体は適度に火が通り、ジューシーな仕上がりだった。

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2〜3人で食べ分けるとちょうどよい量だ

クラフトビールを愛する人々が集まる場所

「毎日、ビールのラインナップは変えているんだけどほとんどがバンコクのブリュワー。ときどきチョンブリーのビールも置いてることもあるよ」

そう話すのは、オーナー陣の1人であるカリフォルニア出身のAvi氏。
話しを聞きながら、彼と酌み交わしたビールはBEER KAAB製のMELON WITと名付けられたフルーツビールである。
メロンテイストを加えたMELON WITは、ビールを飲んでいるのに、口の中に広がるのはメロン風味という不思議なビールだ。

彼を含め他3人のブリュワーも心の底からビールが好きなのだろう。
いつの間にか4人がビール片手に集まり、満面の笑みをたたえながら話し合っている。
『Let The Boy Die』はタイのクラフトビールをこよなく愛する者たちが集まれるBarでもあり、語り合うことの出来る貴重な場所なのだ。

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21時を過ぎるとほぼ満席に

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ビール好きが集まる場所

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2階席もあり団体にも対応できる

月に一度のイベントはFacebookでチェック可

21時を超えると『Let The Boy Die』の店内には空席がほとんどなくなり、クラフトビールを楽しむ客たちの談笑で賑わい始めた。
わたしが来店した夜、客のほとんどはタイ人だ。
白人客の姿も数名あったが、ここ数年でクラフトビールを飲むタイ人が増えたという話にも首肯できる。

1ヶ月に一度、タイのブリュワーたちが自慢のビールを『Let The Boy Die』に持ち寄り、それらを飲むことが出来るイベントを開いていると、Avi氏は話してくれた。
ここで支持を集めたクラフトビールは、6種しか並べられない『Let The Boy Die』のラインナップとして加えられると言う。

メロンビールをゆっくり味わって飲んでいると、Avi氏は2杯のクラフトビールを自ら注ぎ、わたしの目の前に置いた。

「今日はどんどん飲んで、タイのクラフトビールをとことん味わってくれ」

彼らの並々ならぬクラフトビールへの熱意は、職人としての魂であり、“旨いクラフトビール”を求める愚直なまでの想いなのだ。

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取材・文・写真/西尾康晴

【SHOP DATA】
「Let The Boy Die」
TEL:080-599-6177
OPEN:18:00-24:00(月曜日休み)
ADDRESS:542 Luang Rd, Khwaeng Pom Prap, Khet Pom Prap Sattru Phai, Krung Thep Maha Nakhon 10100
PRICE:Smoke Dark Beer180B、PORK KNUCKLE360B
Facebook:https://www.facebook.com/ltbdbar/

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