第14回「髙田的タイ人女性の総括(これまでの連載女性を前向きに考察)」

投稿日 2018.08.14

髙田的タイ人女性の総括(これまでの連載女性を前向きに考察)

基本的にはタイ人女性は優しいのだとオレは思う

前回はアムについて書いたことで、一応これで現状におけるオレの女性遍歴は終了となった。
あくまでもちゃんとつき合った仲となるので、これからはそれ以外の短期的に出会った女性たちについて紹介し、そこからタイ人女性とはどんな人たちなのかを浮き彫りにしていきたい。

その前に、今回はとりあえずこれまでのタイ女性との経験を元に、高田的タイ女性の性質を振り返っていきたい。

結論から言うと、オレが思うタイ女性は「純情」であるというイメージになる。
振り回されたり、ぶっ飛ばされたりしたが、前向きに、そしてよい意味で彼女たちを捉えてあげるとすれば、大なり小なり、地方出身者はウブだと感じる。
これまでの記事を読み返してもらうとわかるが、オレがつき合ってきたタイ人女性はほとんどがイサーン人(タイ東北地方出身者)である。
バンコクの都会的な、そして富裕層の女性は友人としてのつき合いはあるものの、男女の関係になった人はいない。
だから、ある程度偏った見解であるかもしれないことは否めないが。

イサーンのまち

東北地方の典型的な農村。のどかで過ごしやすい。

まずタイの田舎の人は例えゴーゴーやカラオケなどで百戦錬磨であっても、どことなく純情な部分がある。
歳をとってもある部分では少女的な感覚をキープしているという印象と言えばいいか。
これは優しいだとか、気立てがいいだとか、幅広い意味合いがある。
だからこそ、多くの日本人男性が彼女たちに熱を上げるわけだ。

ときに全財産をタイ女性に捧げてしまう男性もいる。
そんな金を巻き上げる女が純情なのかというと、決して彼女たちに悪意はないとオレは思うのだ。
例えば第4回で紹介したエーンなどは、複数の日本人男性から定期的に金をもらっていたが、悪意があるわけではなく、あるべきところから受け取っているという意識があるように感じた。
引き出すのがうまいというのはあったかもしれないが、そのテクニックよりも、自然と受け取っている姿の方が印象的だったのだ。

拝金主義的な女性は夜遊びシーンには多くない

日本だと施しを受けることを恥ずかしがる傾向にあるが、タイは施しをすることも多い一方で受けることもよくあり、それが悪いことではない。
夜の世界で働く子たちは大半が貧しい。
だから、払える金のある人からもらうのは当たり前でもある。

そもそも日本人だけがターゲットになっているわけではない。
ほかの国の人もそうだし、同じ言語と文化を共有するタイ人男性でさえも、タイ人女性に貢いで破産したりする。

本当にタイ人女性が悪女であれば、徹底的に騙してすべてを根こそぎ持っていくのではないかとオレは思う。
タイ人は詐欺など手の込んだことはあまり好まない。
それをする場合は、だいたいニュースになるくらいで、水商売の女性が貢がせて男を破綻させたというネタが報道に上がってくることはほとんどない。

スナックのカウンター

夜の店で働いていても、根っからのワルはそう多くないとオレは見る。

これは第1回に登場したプラーンもそうだったし、ほかにも何人も知っているタイ人女性は基本的に金に執着している人が少なかった。
あくまでも家族を養うために必要な分だけを稼ぎ、あとはあればラッキーくらいにしか思っていない。

オレの妻アムにしても、オレと初めて会ったころ、オレはタイ人以下のサラリーで働いていたし、部屋には家電製品と言えば扇風機くらいしかなかった。
あとになってアムが言っていたが、オレのアパートの様子を見て「金持ちだと思っていた日本人がタイ人以下の生活をしていて衝撃だった」という。
本当に金を第一に考えているのならば、その時点で見限られていたはずである。

ただ、第10回のスなどもそうだが、稼げない時期というのも出てくる。
スの場合は時世の関係で未成年者が締めだされたので働けなかったし、大半の女の子がゴーゴーなどに期待してやってくるものの、実際に稼げる子は少ない。
ましてやエーンのように10万バーツを超える金額をコンスタントに稼げるケースは稀である。

そうなると、ある程度の稼ぎを確保するために金にがめつくなることはある。
それでも騙してまで徹底的に男性をカモにしようとすることはそうない。
あるとしたら、麻薬に手を出していて、どうしてもほしいということが考えられるくらいか。

だから、相当な金額を巻き上げられた人は、本当にそれは彼女たちのせいなのか? とオレは思う。
オレが知っている夜の女の子は、こちらに金がなければそれ以上を要求しない。
むしろ出してくれることもあるし、なければないで「あ、そう」とすぐに諦める。

貢いだことを後悔している男性は今一度振り返ってほしい。
彼女に言われる前に、勝手に先回りして金銭を出してしまった節はないだろうか。
百歩譲って騙されていたとしても、結局財布の紐を緩めたのは男である。
金を出させたタイ人女性を擁護するわけでもないし、確かに出してしまう魅力が彼女たちにはあるのもわかる。
でも、それでも冷静になってみれば、最終的に出すことにゴーを出したのは自分なのだ。

古典舞踊

古典舞踊でも女性の美しさが際立っている点から見ると、タイ女性は昔から人を魅了するものを持っていたのだろう。

本当に悪女ならプライベートに踏み込ませないはず

もうひとつ、地方出身で夜の仕事に従事するタイ人女性が金銭に執着しないとオレが思う理由は、その気になって口説けば、客である男性もちゃんとした恋人関係になることもできるという点にある。
金づるとしか思っていなければいくら口説かれても客の男性になびくことはないのではないか。

第2回のワン第9回のパーンは店で知り合ったのちにプライベートでも会うことになった。
この時代はまだタイ語を話せる日本人が少なかったので、口説きやすかったという背景はある。
それでも、今もゴーゴー嬢やカラオケ嬢とつき合う人はいる。
女性に純情な部分があるからこそ、仕事とプライベートを分けられないと見る。

自分の欲望ではなく、あくまでも家族のためにひとりバンコクに来て不安なことも多い。
寂しいという気持ちもあろう。
そこに「好きだ」と言ってくれる男性が現れたら、思わずほろりと落ちてしまう。
そんな純情なかわいらしい一面が彼女たちにはある。

スタジアム

タイ人男性の中には働かないでギャンブルに明け暮れる者もいる。

また、地方からバンコクに来て夜の店で働き始める女性は多くがタイ人男性に失望している。
そもそも、父親が稼げずに娘が身体を売る羽目に陥っているわけだ。
あるいは、妊娠中に男に捨てられた女の子なんてのも珍しくもない。

そういった子は「タイ人男性は甲斐性なしでイヤだ」と言い、外国人男性を好むようになる。
そんな恋人候補に対して詐欺を働くことはそうない。
心がピュアな分、真剣につき合えば、しっかりとそれに応えてくれる。
身体の関係こそないがゴーゴー嬢の友人がオレには数人いるし、それこそだいたい10年以上のつき合いがある女の子ばかりである(もう今は女の「子」ではないが)。
多くの夜の女性もいい子が多い。

もちろん悪い女もいないわけではない。
また、暴力的な女の子もタイにはいる。ただし、それはあくまでも少数だ。

タイの海

パタヤのゴーゴーは、バンコクの都会の水が合わないという女の子も多い。

この記事を書くにあたり、当初タイ人女性のイメージは「純情で暴力的」というフレーズを思いついた。
でも、よくよく考えてみれば手を出すような子はそう多くない。
日本人女性との割合と比較しても、そんなに変わらないのではないか。
オレなんか、若いころにつき合っていた日本人の彼女に、傘で柄の金属棒が折れるまで殴られたことがある。
だから、そこは日本人女性だって同じでしょう。
確かに包丁持って追いかけてきたりトゲのついたバラの花束でぶん殴られたりはあるが。
ま、暴力関係は追々紹介していきたいと思う。

【プロフィール】
高田胤臣(たかだたねおみ)
1977年東京都出身のタイ在住ライター。
1998年初訪タイから2006年に結婚するまでにゴーゴー嬢、タニヤ嬢、マッサージ嬢など夜の女の子と一通りつきあい、タイの低所得者層から中流層の生活を垣間見てきた。
著書に「バンコク 裏の歩き方」や「東南アジア 裏の歩き方」など彩図社の裏の歩き方シリーズ関連、Amazon Kindleの電子書籍など。

タイ在住17年が送るバンコク夜遊びガイド『バンコクアソビ』電子版も販売スタート!

バンコクで遊ぶなら必読! – 『バンコク 裏の歩き方 [2017-18年度版]』

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